『もし私が アフリカの歌ー キリンやその背後に横たわる新月、農場のすきや コーヒーを摘む人々の汗ばんだ顔の歌というものを知っているとしたら、
アフリカは私の歌を知っているかしら?』
アフリカをこよなく愛した女性の回想録『アフリカの日々』(アイザック・ディネーセン著)が原作
植民地時代
アフリカで夫の代わりにコーヒー農園を営むカレン(メリル・ストリープ)は現地の人々と心を通わし、慣れないながらも徐々にその土地に馴染んでいった
そんな彼女が出会ったのが
自由を愛する男デニス(ロバート・レッドフォード)
枠にはまらない、はまろうとしない
そんなデニスの生き方にカレンは惹かれるのだが…
ふたりの価値観の違いから
語られる側面が興味深い
「君はこの土地の所有者じゃない
通りすぎていくだけの存在だ」
ふたりが愛するアフリカの地への認識の違いは
すべからくふたりの恋愛観にも繋がる
結婚にこだわるカレンにデニスは言う
「結婚で、僕の愛が増すとでも思うかい?」
そんなふたりの距離感に憧れてしまうのは
やはり アフリカだから…
地平線は遥か遠く
その向こうにも
まだまだ世界は広がっている
ひとつの現象にとらわれず
心を解放していくアフリカの地
『mental traveler』なるアイザック・ディネーセンが描く詩的な世界が
映画のなかに連綿と息づく傑作
ー原題『Out of Africa』ー
ーどんな悲しみでも、それを物語に変えるか、それについて物語れば、
堪えられるー(アイザック・ディネーセン)