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フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白のcobossのレビュー・感想・評価

4.0
面白かった!85歳にしてこの明晰さ、伊達にWhiz Kidと呼ばれてきたわけではない。現役の頃の映像では、あの憎たらしいオールバックと丸メガネが印象的ですが、ラムズフェルドはあれを真似しているのだろうか? 映画は2003年の作品で、御本人は2009年に亡くなっています。
大学に行って、結婚して、と始まるので「若い頃からいかに頭が良かったか」という自慢だと思ったら、いきなり東京大空襲で10万人殺したという話になり、「アメリカで言えばNew Yorkにあたる東京では人口の51%を殺害し」と、次々と空襲した地方都市をアメリカの都市に例えるので、なんで此処でそんな細かい話をする?と違和感を覚える。たぶん自分の能吏ぶりを強調することで「責任は上官・政治家にあり、自分は有能だっただけ」と言いたいのであろう。その後はフォードに入って社長になるものの、「ベスト・アンド・ブライテスト」を欲したケネディにスカウトされて政界へ。ヴェトナム戦争を拡大しズルズルと続ける一翼を担うことになる。
ケネディの話で涙ぐんだり、ジョンソン大統領に褒められて涙ぐんだりしているので、国政に関わることが誇りだったのだろう。が、能吏に徹せず積極的に反戦運動に手を貸していれば、戦争はもう少し早く終わったのかもしれない。でもカメラの前に出てくるだけ、ラムズフェルドよりも良い人そうに見える。
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