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泥の鳥のakekokkoのレビュー・感想・評価

泥の鳥(2002年製作の映画)
4.0
1960年代、バングラデシュ独立戦争前夜を背景にある一家の出来上を描いている。

バングラデシュ映画を字幕付きで観ることが出来るのって非常に珍しく、貴重な体験をすることができた。

元々インドが分かれて西パキスタン東パキスタンとなり、東パキスタンが独立したのがバングラデシュで多くの人が戦争によって命を落とした。
バングラデシュの国旗は緑に赤丸、緑は大地赤はその時に流した多くの人の血を現している。
赤丸がやや左寄りなのは風になびいたときに綺麗に見えるようにだと言うことを以前バングラデシュ人から聞いたことがある。

この家族が暮らすのはかなり田舎で、村を訪れる時に渡し舟で渡るシーンが何度かあったけど、ああ、水と舟の国バングラデシュだなぁって思った。

ベッドに娘が瀕死の状態で横たわっている。
母親は娘の髪に水をかけ洗い流している。これにはびっくりした。普通日本ではしないだろう行為だから……
それもだし、医者に診せずお祈りをした方が娘は助かると思い込んでる父親にもおったまげた。
そしてこの父親、パキスタン軍が攻めてきたとき家族を守るより家(きっと神アッラー)を守ったんだと思った。

長男アヌが親元から離れ寄宿舎でコーランを学んだり、ベンガル地方に伝わるバウルという民族音楽を弾いたりするシーンもありと、バングラデシュを95分の中にぎゅっと閉じ込めた感じで、かなり完成度の高い作品であろうかと思う。
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