theocats

極道めしのtheocatsのレビュー・感想・評価

極道めし(2011年製作の映画)
2.8
ネタバレ
一味足りないがまずまずの食い物娯楽映画

本作で一番の不満は刑務所飯の質朴な旨さを十分表現し切れていなかった点。
入所経験はないがリアルな飢渇経験はあり、もしその時本作でちょこっと描かれていた普段の刑務所飯があればよだれものだっただろう。
ムショでは現在でもそうなのか分からないが麦入り飯はよく噛んで味わえば白米なんかより満足感が高く、汁物やおかずが冷めていたとしても感涙の旨さだったに違いない。
何れにしろ本当の飢えの経験があれば何でも旨いのは間違いなく、トマト缶を湯で溶き塩で味付けただけのトマトスープが・・・

なんて個人的な話はどうでもいいことで、本作で肝心な点は受刑者が語る飯の内容が旨そうにこちらにも思えるかどうか。
その点では最初の田舎のおふくろの味が私の好み。

それ以外は微妙。オムライスカレー掛けカルボナーラ入りは炭水化物が多すぎ。海鮮BBQは普通。みそだれすき焼きはちょっと想像つかない味。
千切りキャベツ即席めんは工夫を凝らしても安っぽい化調インスタント味ゆえに旨い!!とまではいかないはず。

上記理由で描かれた食に関する満足度は低いが、本作の主眼点は実は受刑者の身の上話のほうかもしれないので、それらを含めれば総合的にまずまず。

主役男子の切ないラーメンラブストーリーは〆として良かったんじゃなかろうか。

総評2.8の三ツ星

002010
theocats

theocats