RIO

聖週間のRIOのレビュー・感想・評価

聖週間(1995年製作の映画)
4.0
荘重な音楽が作品の重さを物語る
悲劇は重層的に展開する

ベルリン国際映画祭銀熊賞 受賞作品

ナチスドイツの占領下のポーランド
ワルシャワでゲットー蜂起が起こる

ゲシュタポから逃れたイレナを
乗せた電車が静かな郊外へと
林の中を走る
柔らかく曲がる角度が美しい

かつての恋人ヤンに
匿ってもらうため

ヤンの弟ユーレックは抵抗派として
地下活動を行い自由を求め
「連帯」を組織する

見つかれば処刑される
匿う人間も同じ運命を辿る

「同じ目的に闘うユダヤ人に力を貸すべきだ 
それが連帯だ」
と言うワイダのユダヤ問題への強い想い

北東部スバウキに生まれた
アンジェイ・ワイダ
第2次大戦ではレジスタンスとして活動して
その現実からのリアリズムがある

ナチスから共産支配を受けながらも
共産主義から脱したポーランド

祖国の厳しい宿命
過去の歴史を伝えて考えるワイダに
硝煙立ちこめる
市街地を彷徨うイレナの姿が重なる
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