荘重な音楽が作品の重さを物語る
悲劇は重層的に展開する
ベルリン国際映画祭銀熊賞 受賞作品
ナチスドイツの占領下のポーランド
ワルシャワでゲットー蜂起が起こる
ゲシュタポから逃れたイレナを
乗せた電車が静かな郊外へと
林の中を走る
柔らかく曲がる角度が美しい
かつての恋人ヤンに
匿ってもらうため
ヤンの弟ユーレックは抵抗派として
地下活動を行い自由を求め
「連帯」を組織する
見つかれば処刑される
匿う人間も同じ運命を辿る
「同じ目的に闘うユダヤ人に力を貸すべきだ
それが連帯だ」
と言うワイダのユダヤ問題への強い想い
北東部スバウキに生まれた
アンジェイ・ワイダ
第2次大戦ではレジスタンスとして活動して
その現実からのリアリズムがある
ナチスから共産支配を受けながらも
共産主義から脱したポーランド
祖国の厳しい宿命
過去の歴史を伝えて考えるワイダに
硝煙立ちこめる
市街地を彷徨うイレナの姿が重なる