こぅ

武装市街のこぅのレビュー・感想・評価

武装市街(1950年製作の映画)
4.0
'22 12/17 ジャケ写掲載していただきました。

ルドルフ・マテ監督による、異色の【誘拐サスペンス】。

原題:ユニオン駅


富豪、ヘンリー・マーチソン(ハーバート・ヘイズ)の盲目の娘、ローナ(アレン・ロバーツ)が誘拐され、犯人は身代金を要求。
受け渡し場所である広大なユニオン駅地下道で繰り広げられる犯人と鉄道警察の追走劇…。


冒頭、ウェストハンプトン駅に盲目の社長令嬢、ローナ・マーチソンを送る、秘書のジョイス・ウィルコーム(ナンシー・オルソン)。
その電車帰りの途中、スーツケースを持った怪しい2人が乗り込んできた。

鉄道警察のビル・カルフーン警部補(ウィリアム・ホールデン)と、市警のドネリー警部(バリー・フィッツジェラルド)が組んで捜査にあたる。

事件のシークエンスが一切端折られている為、唐突に誘拐事件の発覚を知らされ、時間的にも都合良すぎの違和感は拭えないが、テンポは申し分ない。

容疑者、ガスの尾行で、駅間の度に警官1人を交代させてマークしたり、捜査過程がユニーク。
その降りた容疑者を追うが、最期は、不運⁈にも車では無く、◯に轢かれる。

誘拐されている現場視点では無く、駅のホームをメインに誘拐犯からの指示や身代金の受け渡しが、展開されるのはユニークなポイントだろう。

警官全員が駅から離れた時に偶々容疑者が現れ、ジョイス1人で尾行する羽目になる。
気の強い秘書、ジョイスがまるで女警官のように活躍するっていうのもユニーク。

仲間の1人、強情なヴィンスを吐かせるのに、列車に事故と見せかけて轢かれさせようとする警察の 容赦ない非情さ も際立たせる。

主犯の住所と名前が判明し、アパートに向かうが、、
金の為なら◯◯も撃つ卑劣な犯人。

地下道で1人にされても逃げられないという、人質の盲目設定 の機能は果たしている。

地下のボイラー室での一騎打ち。
緊迫したクライマックス。


ジョイスに向かって、
「人前ではウィリーと呼ばないでくれ
いいか?」
ドネリー警部もニヤリとする意味のあるセリフで締める。

80分、ドライな作風で手堅く纏まっていた。

ACC-215
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