街のあかりのボニコのレビュー・感想・評価

とても幸せとは言えない不幸ばかりが続くのだけれど、悲壮感だけではない温かさがある。無愛想で何を考えているか分からない主人公、"犬のように忠実でばかで女々しい男さ"って台詞が映画が終わったあとも強く残る。真面目が馬鹿を見るって言葉すごく好きじゃないけれどそれを凄く思わせる世界。希望なんてないと諦めそうな中、確かに彼は希望を失っていない。理不尽なことばかり起こる世界でも、そばに寄り添ってくれる人。とても辛い話なはずなのになぜか温かくなる不思議な映画だった。