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ソウ4のnetfilmsのレビュー・感想・評価

ソウ4(2007年製作の映画)
3.5
 遺体安置所に置かれたジグソウ / ジョン・クレイマー(トビン・ベル)の死体、検死官はおもむろに頭部からの解剖を試みる。前作のリン・デンロン(バハー・スーメク)の脳解剖の再来のような残酷なグロ描写。やがて検死官は胃袋の中から、ロウで固められたカセット・テープを見つける。ホフマン刑事(コスタス・マンディラー)がテープを再生すると、「自分の死で、すべてが終わったと思わないことだ」というジグソウのメッセージだった。ジグソウにはまだ協力者がいると推察したホフマン、SWAT、FBIはただちに捜査を始めた最中、リッグとエリックの同僚で、執拗にジグソウを追っていたアリソン・ケリー(ディナ・メイヤー)の吊り下げられた無残な死体が発見される。SWATの隊長でたたき上げの警官であるダニエル・リッグ(リリク・ベント)はエリックとケリーの復讐に目覚めるが、自宅で何者かに襲われ、やがて目覚めるとバスルームに横たわっていた。そしてTVモニターには、どこかで囚われの身になっているホフマン(コスタス・マンディロア)と死んだと思われていたエリック刑事(ドニー・ウォルバーグ)の姿が映し出され、彼らを救うためのゲームに強制参加させられてしまう。制限時間は90分。こうしてリッグは、ジグソウと同じ手口でゲームを仕組む何者かに翻弄されていく。

 記録的な大ヒットを続ける『SAW』シリーズ第四弾。前作でジョン・クレイマーの死と並列で描かれた後継者失格の烙印。だがジョンは彼と共鳴するもう1人の後継者を見つけていた。前作『SAW3』と時系列的にはほぼ同じ並びに位置する今作は、前作で明らかにされなかったケリー捜査官とエリック捜査官のその後を描きながら、なぜジョン・クレイマーが凶悪なサイコパスに変貌したのかを明らかにする。すっかり忘れていたリッグの再登場にも驚いたが、ローレンス・ゴードン(ケイリー・エルウィス)による冷たい仕打ちの前に登場したジョン・クレイマーの最愛の人の存在が明らかになってから、物語は静かに動き始める。冒頭の検視シーンを除けば、前作ほどの残酷な描写はなく、初代ジグソウから2代目への襲名式が二転三転する展開と圧倒的なカタルシスで描かれるのだが、マーク・ホフマン刑事とFBIの調査官ピーター・ストラム(スコット・パターソン)と弁護士のアート・ブランク(ジャスティン・ルイス)の区別が極めて難しい 笑。まさかのジェフ・レインハート(アンガス・マクファーデン)の再登場、終盤怒涛の登場人物たちの再結集により炙り出された正当な後継者襲名式、前作までを旧ジグソウ・トリロジーとするならば、今作は旧トリロジーと新トリロジーを繋ぐミッシングリンクに位置付けられる。
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