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モデルカップルのKUBOのレビュー・感想・評価

モデルカップル(1976年製作の映画)
3.2
世の中では「『TENET』がわからん」で大騒ぎですが、これもわからなかったな〜。

70年代のフランスで、ごく平均的なカップルが選ばれ、2000年代の未来の生活を予想した最先端のアパートで暮らす「実験」が始まる。

当時フランス人が予想した未来は、自動食洗機や冷凍庫付きの冷蔵庫、大型テレビモニター(作品内ではブラウン管だが)などなど、今我々が普通に使っているものだし、部屋はまるでPARCOのディスプレイのよう。

彼らは家賃も生活費も一切払わなくてもいいんだけど、食事も風呂も、なんと夜のSEXもリアルタイムで観察され、それがテレビ番組として放送される。(ボカシなし)

最初のうちは最先端のアパートで幸せな生活を送りイチャイチャしていた2人だったが、2人を観察する科学者のおばちゃんが意地悪で、わざとイラつかせるようなことを言う。

だんだんとストレスが増えて喧嘩もするようになり、その全てが放送されるのだが、それが今話題の「リアリティ番組」を予言してたみたいで、そこはすごい!

ただ、この実験の裏にある何某かの国家の計略などが明らかになるのかな(?)と思ったけどそれほどのことはなく、じゃあ実験を取り仕切る胡散臭い科学者との間で何か心理学的なサイコな展開でもあるのかな(?)と思ってみてもそんなこともなく、突然「子供たちのテログループ」というポップでゆる〜い展開に意味がわからなくなる。

これ、どういう風にオチつけるんだ(?)と心配していると、心配した通りにグダグダのまま唐突に終わる。

え? 何コレ?

着想はおもしろい。だけど、テーマも、どう終わらせるかもちゃんと決めてないで、撮ってくうちにアイディアが出てきて、おもしろくなったから「これでいいじゃん」みたいな、インディーズの乗りで撮っちゃったんじゃないかなぁ?

いい映画になりそうなアイディアはいっぱいあったのに、もったいない。ちゃんと作りなさい。
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