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ノックは無用のHKのレビュー・感想・評価

ノックは無用(1952年製作の映画)
3.6
マリリン・モンローの初期の主役作品がこんなシリアス・サスペンスで、しかも役がこんなサイコ・キャラだったとは意外。
本作でのモンロー(当時26歳)は常に情緒不安定で眉間にシワを寄せ、同年公開の『モンキー・ビジネス』などのお色気カワイ子ちゃんキャラとは大違い。
ただし本作の演技の評価は芳しくなく、以後は似たようなキャラは演じていないようです。

あるホテルが舞台、モンローはある金持ち夫妻にベビー・シッターとして雇われますが、モンローは恋人を亡くして精神を病んでおり、徐々に常軌を逸した行動をとり始め・・・

主役は他に、モンローの正体を知らず近づく同じホテルの客でこの頃はもう悪玉も善玉もどちらもOKのリチャード・ウィドマーク(当時38歳)。
本作が映画デビューとなったアン・バンクロフト(当時21歳)が若くて可愛くてビックリ。ホテルのバーの歌手役で歌声も披露してくれます。

サイコ・キャラながらも、さしものウィドマークもタジタジとなるモンローのセクシーな魅力が炸裂。モノクロ・スタンダードなのが惜しい。
一連のコメディ作品でのイメージが強いモンローの主演作の中でも、遺作の『荒馬と女』や本作はかなり貴重な作品と言えるのでしょう。

監督はロイ・ウォード・ベイカー(『SOSタイタニック』)、後期はハマープロのホラーなんかを撮ってる人のようです。
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