似太郎

さよなら子供たちの似太郎のレビュー・感想・評価

さよなら子供たち(1987年製作の映画)
3.8
別に悪い映画だとは思わないのだが、なぜかこの監督(ルイ・マル)がトリュフォーの模倣をしているようなある種の違和感が終始付き纏う。このような残酷な少年期を描いた映画をわざわざルイ・マルが手掛ける必要はないと思う。

出てくるキャラクターの子供達もステレオタイプでイマイチ面白味に欠ける。これなら『地下鉄のザジ』の方が毒があって遥かに良かったと感じる。律儀でお上品な映画なのだが、全体的に作り物っぽくて感情が宿らないシナリオである。訴求力がないというか。

戦時中の子供同士の友情とか戦争で引き裂かれる運命とか、これまで散々やってきた反戦映画のネタをほんの少しスタイリッシュに味付けしただけでこの監督らしさが感じられない。神父がラストで「さよなら、子供たち!」って台詞吐くのも何だか微妙なセンス。

総じてつまらなくはないが、別段面白くもないという淡白な印象の作品。中学生の頃VHSで観たときから「?」といった感想しか浮かばない、謎多き作品。この映画が好きな方には申し訳ないが、あまりこういう世界観は趣味ではない…。😓
似太郎

似太郎