まめだいふく

スウィート・ロードのまめだいふくのレビュー・感想・評価

スウィート・ロード(1989年製作の映画)
3.0
 なぜかカリフォルニアに行きたがっている自閉症(?)ぎみな腹違いの弟ジミーのために、少年コーリーはジミーと一緒にカリフォルニアへと旅立つ。
 途中で出会ったおませな女の子ヘイリーも加わって、旅費が乏しい中での三人旅。そんな中、ジミーがTVゲームが得意だということに気付き、ゲーム大会の優勝賞金獲得を目指すことになるのだが……。

 ロードムービー×TVゲームという異色の映画。なんとあの任天堂がスポンサーらしく、ファミコン世代には懐かしいゲームが次々と登場する。

 ジミーが実はゲームの腕前が凄いとわかるきっかけとなるのが『ダブルドラゴン』というベルトスクロールアクションゲーム。5分間で5万点をたたき出すジミー。すげぇよ、あんた。
 『ダブルドラゴン』は結構難易度が高く、MISSION3からが特にきつい。とりあえずレベルを上げていって肘打ちを覚えたら、あとは肘打ち無双。肘最強説。
 ……何の話でしたっけ? そうそう、映画の話でした。
 彼らは途中で、凄腕のゲーマー、ルーカスという名の少年に出会う。彼もまた大会に出場する予定で、ジミーたちにゲームの腕前を見せる時にプレイしたのが『ハイウェイスター』というカーレースゲーム。しかもルーカスはパワーグローブという周辺機器を使ってプレイする。
 このパワーグローブ、その名の通り手に装着して、ボタンではなく手の動きで自キャラを操作するという画期的なコントローラー。
 慣れるまでは相当難しいはずなんだけど、ルーカスはいとも簡単に使いこなす。それを見てジミーは自信を失くしてしまう。
 しかしまあ、せっかく『ハイウェイスター』をプレイするなら、専用の3Dシステムも使って3Dモードでプレイして欲しかったな。
 ……何の話でしたっけ? そうそう、映画の話でした。
 さて本作、子供三人の旅路の話だけでなく、彼らを追うコーリーの兄と父のドラマもあり、更にはジミーを連れ戻すために、ジミーの母と義父が雇った家出人を連れ戻す専門の賞金稼ぎの男との足の引っ張り合いもある。これがまたやりすぎで、車をぶつけたりパンクさせたり、勝手にレッカー車に持って行かせたりと手段を問わない。まあ、大半が賞金稼ぎの仕業で、こいつが本当にむかつく男。
 そいつにほとんどやられっぱなしの父と兄は、めったにない二人旅の中で本当の家族としての時間を過ごす。そして、ゲームにあまり興味がなかった父が『ミュータントニンジャタートルズ』にドはまりしてしまうのが面白い。
 この『ミュータントニンジャタートルズ』は元々はアメリカのテレビアニメで、ファミコン以外にもゲームボーイやスーパーファミコンでもゲーム化されている、息の長い人気作。日本で発売されたファミコンソフトの一作目のタイトルは『激亀忍者伝』でした。
 ……何の話でしたっけ? そうそう、映画の話でした。
 なんやかんやあって、何とかゲーム大会に出場できたジミー。かなり規模の大きいゲーム大会ですが、アメリカでNES(アメリカでのファミコンのこと)が一大ブームになっていたころは実際に多くのゲーム大会が開かれていたそう。日本でもハドソンが主催していた全国キャラバンとか、テレ東で放送されていた『ファミッ子大集合』という番組内で、一般参加の子供たちがハイスコアを競い合うコーナーもあったりしました。
 ……何の話でしたっけ? そうそう、映画の話でした。
 劇中でのゲーム大会の決勝戦に使用されたゲームソフトは『スーパーマリオブラザーズ3』(以下スーマリ3)。なんとこの『スーマリ3』、アメリカで本作が劇場公開されたときにはまだ発売しておらず(日本では発売されていた)、この映画がゲームプレイシーンの初公開となったという。
 この『スーマリ3』、かなりのボリュームであるにもかかわらず、パスワードコンティニューもセーブ機能もないため、すべてのステージをクリアするのは至難の業。ワープという救済措置はあるものの、せっかくなんだから全ステージを遊びたいというのが本音。
 ……何の話でしたっけ? もういいか。
 話が逸れまくって長文になってしまったけど、とにかく、旅とゲームを通じて、家族の絆を取り戻すという心温まるドラマだったとさ。
 そういえば、意味ありげだった積木のエピソードは全然関係なかったな。
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