tacky

キートンのセブン・チャンス/キートンの栃麺棒のtackyのレビュー・感想・評価

4.0
日本ではもちろんチャップリンの人気が凄いのだが、意外にも、知る人ぞ知るキートンは、日本のお笑いや演劇の専門家から、かなり高い評価を受けている。

古くは俳優の益田喜頓、声優のキートン山田、お笑い芸人の増谷キートン、などなど、芸名にまでしている人もいるぐらいである。

全ては、その「ストーンフェイス(無表情)」なのに、身体能力半端無い動きで、笑いを誘う単純明快さにある。

この作品も、ただの恋愛すれ違いドラマで終わるはずが、クライマックスにかけて、クレーンで振り回されるわ、坂を転がる岩石を避けまくるわ、間一髪で車や列車をすり抜けるわで、まずビックリ、そして笑いが起こるのである。緊張と緩和である。

物語に深さは無いが、ただただ笑いを追求するその姿勢が、素晴らしいのだ。

実は私も三代喜劇俳優では、説教くさいチャップリンや、緻密な構成から笑いを起こすロイドよりも、ただただ動きだけで笑わせるキートンが1番好きである。

理屈抜きの70分。しっかり笑った。
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