ジミーT

俺の血は他人の血のジミーTのレビュー・感想・評価

俺の血は他人の血(1974年製作の映画)
5.0
筒井康隆を全面に押し出して「原作・筒井康隆のSFハード・アクション!」とかではなく、二本立ての1本としてささやかに公開された、いわゆるプログラム・ピクチャーのB級映画というやつです。原作・筒井康隆も控えめに書いてあって、言われなければ気がつかない、そんな感じでした。

対立する2つのギャング組織を主人公がひっかき回して共倒れさせる、ダシール・ハメット「血の収穫」と同様のフォーマットなのですが、原作はSFというか超自然現象的設定を基に、過激なバイオレンス・アクションを通して精神と肉体の両面からハードボイルドの本質を描いてみせた傑作です。

しかし映画ではあまり面倒なことは端折って、ポスターの惹句いわく「一度怒ればもの凄い超人に大変身!」と、その通りのアクション映画になっていました。
舛田利雄監督も「人間革命」に「ノストラダムスの大予言」と、重量級の超大作続きで疲弊したのかストレスが溜まっていたのか、それを発散させるようなイキのよさ。舛田監督自身が「ストレス解消でもの凄い超人に大変身!」したんじゃないかというような痛快作でした。

いま考えてみると「噂の刑事トミーとマツ」の元ネタなんじゃないかな。
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