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わたし出すわのlarabeeのレビュー・感想・評価

わたし出すわ(2009年製作の映画)
3.4
【小雪は喪黒福造か?】

お金はあったらあっただけいい、貰えるものならいくら貰ってもいい、と普通は思う。だが意味なくお金を貰うとどうなるのか、言われのないお金をもらった時の人それぞれの反応や生活に及ぼす影響を描いた森田芳光監督作品。

『家族ゲーム』ほど人を食ってないが、ところどころ不条理な暗喩的表現やユーモアが登場して森田芳光らしい仕上りとなっている。

これを観てほとんどの人は「お金を貰うと自分ならどうなるのだろう?」どう考える。そしてほとんどの人は「自分は変わらない」と思う。本当にそうか?

やはり人には「分相応」というものがあり、自分の実力以上にお金を持つとロクな事が無い。お金だけでなく地位や名誉も一緒。それらはやはり努力した結果でないとダメ、実力が伴わないと得てはいけない。

お金というある種欲のかたまりを通して人間を見ればこうなるのか、と面白く観させてもらった。

全編に、同級生にお金をあげる存在であるマヤ(小雪)という人物の不思議感が漂っている。

彼女はある種、偶像的で架空の人物のでようでありながら、実在する人物として描かれており、結局自分の中で消化しきれなかった点が惜しかったかな。結局誰やねん?と。それなら喪黒福造(浮世離れしているキャラ)の方がしっくりくると思うが小雪さんにやってもらう訳もいかず。ドーン!!
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