がちゃん

昭和歌謡大全集のがちゃんのレビュー・感想・評価

昭和歌謡大全集(2002年製作の映画)
3.4
なんとなく集まり仲間になった6人の若者たち。
カラオケ好きの彼らは夜な夜な集まっては、
誰もいない埠頭に集まり昭和歌謡を歌う。

ある日、
若者の中の一人が中年のミドリという女性を通り魔的に殺害。
女性は“ミドリ会”というグループに属しており、
ミドリ会のメンバーは犯人を探し出して殺害し復讐を果たす。

若者たちはそのことに対してさらに復讐を果たそうとする。
こうして復讐合戦が始まるのだが・・・

各エピソードが、
昭和歌謡のヒットナンバーのタイトルによって分かれている。
『恋の季節』『錆びたナイフ』『チャンチキおけさ』『君といつまでも』
『また逢う日まで』等々・・・

その着想は面白いのだが、タイトルとエピソードが無理やりこじつけている感があってちょっと残念。
面白いと感じたのは、喉元を切り裂いて血が噴き出しているところに、
『チャンチキおけさ』がかぶさるシーン。
これはブラックだわ。

復讐の道具が、ナイフから拳銃、そしてバズーカ砲、原爆へとエスカレートするのも、なかなかブラックでよろしい。

ラストの『また逢う日まで』は、キューブリックの『博士の異常な愛情』(1963)に影響を受けているかな。
『博士の~』では、『また逢いましょう』がかかっていたっけ。

ちょっと不器用で、
こなしきれていない感じもしますが、
このブラックな感じはなかなかいいです。

原作は1994年の村上龍の小説。
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