RAY

チェイサーのRAYのネタバレレビュー・内容・結末

チェイサー(2008年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

“分からないし、分かりたくもない”


怒ってます。
この作品が実話を基にしていると言うことを知って、さらに怒ってます。

本当にもう、みんな自分勝手。
立場や利益、そんなことばかりの枠に収まって、それを正義とでも言いたいのでしょうか。
謎の価値観だよ。

何の関係も無い人や望んでもいない人を無理矢理巻き込んで、勝手に怒って、勝手に失望して、勝手に悲しんで、勝手に後悔して、勝手に死んで。

その勝手な人等がどれだけ傷付こうが、後から何かしらに気付こうがそんなことはどうでも良いのに、抗う力も無く、勝手な人等の“蚊帳の外”でいるしかない人は彼等の“道具”の様に扱われて、ただの弱者でしかないのでしょうか。

殺すことにどれだけの理由を付けたところで、関係のない人を殺すのは少なくとも違う。
都合の良いことを言って、ひたすら快楽に溺れている以外の何者でもない。
人を使う人だって、警察だってそう。
自分の為だけの利益、保身。それだって快楽と大して変わらない。
「綺麗事だけではやっていけない」とでも言いますか?
それならば、関係の無い人を巻き込むな。
家族を巻き込むな。
命を巻き込むな。

僕はそんな人の言い分なんて知りたくもないし、聞きたくもない。

果てしなく、言いたいことや怒りが溢れ出てきて止まりません。


この作品がとても残酷に世の中や人の不条理を描いたことは分かります。
だけど、悪くない人は本当に損をするのかな。
しなければいけないのかな。
そんな世の中なのかな。
人ってそんなものなのかな。
ここまでの事件や人に出くわすことは稀なのだろうけど、分からなくなる。
あぁ、本当に止まらない…。

だけど、同時に思う。
と言うか、気付いている。
人は常に心の闇と隣り合わせなんだと。
何の気なしにしたその選択が、闇を招くこともあるんだと。

この映画は、そんな闇の存在を気付かせる為にあるのかもしれない。

だから、いま一度胸に刻もうと思う。


人は人を想い、選択しなければならない。


もう観たくない。
だけど、観て良かったと思う。
RAY

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