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チャイニーズ・ブッキーを殺した男のkazu1961のレビュー・感想・評価

3.8
▪️JPTitle :「チャイニーズ・ブッキーを殺した男」
ORTitle:「The Killing of Chinese Bookie」
▪️First Release Year : 1976
▪️JP Release Date : 1993/03/27
▪️Production Country : アメリカ
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record : 2022-192 再鑑賞
🕰Running Time : 134分
▪️Director : ジョン・カサヴェテス
▪️Writer : ジョン・カサヴェテス
▪️MusicD : ボー・ハーウッド
▪️Cast : ベン・ギャザラ 、ミード・ロバーツ 、ティム・カリー 、シーモア・カッセル 、ロバート・フィリップス 、モーガン・ウッドワード 、アル・ルーバン
▪️Review
ジョン・カサヴェテス初の犯罪スリラーでポストノワールの傑作です。その理由は、本作が多くの面でカサヴェテスの遺言の役割りを果たしていると言われているからです。それは主人公コズモにカサヴェテス自身を投影しているんですね。
コズモはくだらない人間ですが聖人でもあり、無謀なギャンブルで背負った借金のため中国人の馬券屋(ブッチャー)を殺さなければならなくなります。誇り高い興行主でショービジネスの共同体(カサヴェテス映画のスタッフまでやキャストに相当)において父親的な役割の主人公が、自分の家族のために倫理を曲げてまで妥協し殺人を犯す(カサヴェテスがハリウッド映画に妥協して出演して稼いでいたことに相当)、その人生をオーバラップさせています。
なのでここまで繊細な温かさやデリケートに感情を捉えることができているんですね。そう男の生き様と悲哀を描いた傑作です。
もともとは、カサヴェテス作品には珍しく107分で全ての決着がつく編集でしたが、2007年6月にWOWOWで135分のオリジナル版が放映され、デジタルリマスターされました。
主演はベン・ギャザラ。撮影はロサンジェルスの本物のナイトクラブを改装して短期間で行われ、ストリッパー役にはサンセット大通りの実際のストリッパーやプレイボーイのカヴァー・ガールらが集められ、当時デイヴィッド・ボウイの恋人だった黒人モデルのアジジ・ジョハリも出演しています。
また、多くのシーンで、主要キャストの顔が判別できない暗闇の描写があり、後の多くの映画に影響を与えました。

物語は。。。
コズモ・ヴィテリは、場末のストリップクラブ「クレイジー・ホース」のオーナー。美しいストリッパーたちと芸人ミスター・ソフィスティケーションのショーが売り物で、店は小さいながらも繁盛しています。高利貸しからの借金を返済し、街へ出たコズモだったが、プライヴェート・クラブでポーカーに大負けして、マフィアに借金を作ってしまいました。返済できないコズモに、マフィアは借金を帳消しにする話を持ちかけます。それは暗黒街のボス、チャイニーズ・ブッキーの殺害計画でした。何とか実行したコズモだったが、マフィアは最初からコズモを消すつもりでいました。コズモはマフィアに撃たれながらも逃げ延びて店に帰っていき。。。

▪️Overview
ジョン・カサベテス監督による異色のフィルムノワール。場末のストリップクラブを経営するコズモは、店の借金を完済した矢先にポーカー賭博でボロ負けし、マフィアに莫大な借金をつくってしまう。返済の見込みがないコズモに、マフィアは借金帳消しの条件としてある仕事を持ちかける。それは、敵対組織のボスであるチャイニーズ・ブッキーを殺すことだった。カサベテス監督の盟友ベン・ギャザラが、主人公を哀愁たっぷりに演じる。
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