高齢の割には元気な父。ただ、一人暮らしなので話相手は必要。
ちょくちょく電話はするけど、このお休みにはお泊りしてたくさん話してあげよう。というか聴いてあげよ!
父の大好きなフランス映画の話を!
ということで、父の所有DVD「フランスの古典名画集」を借りてきて、未見だった本作を鑑賞。
「天井桟敷の人々」→これは観ている。あまりにも素晴らし過ぎて未だにコメント書けず
のマルセル・カルネ監督作品。初期作らしい。
主演は戦前のフランス映画と言ったら、このひと!のジャン・ギャバン!
カルネ作品ではないが、「望郷」と雰囲気がよく似ている。
「望郷」は女がやって来るけど、こちらはその逆パターン。ジャン・ギャバンが港町に辿り着く。脱獄兵である。
舞台は港町ル・アーヴル。霧に包まれた寂しい街。そこに逃げ込んで来た割には、堂々として、偉そうにいている?😋ジャン・ギャバン!
「詩的リアリズム」と称される本作。
物語には意外性はないのだが、登場人物たちが発するセリフは実にセンスが良く、粋だ!
「霧は俺の頭の中にかかっていた。」
「おい、霧のことと自分の愚痴は言うなよ!」
先客がいる酒場に入ってきたある人物
「賑やかな世界だな、」
「悲しみを抹殺するんだ。」
「あなたの瞳って、哀しげね」
等など、あちこちに詩人が出て来る。
そんなアンニュイな雰囲気と、ジャン・ギャバンのニヒル過ぎる表情や仕草を楽しむ映画だと思いました。
物語としては悲恋ものに入ると思うけど、もう少し何とかなるよな、あの二人だったら、とも思えて、「望郷」よりは感情移入しにくいかな。
お父さん、こんなところでどうでしょう〜😋