「私の映画も『落穂拾い』」
ミレーの落穂拾いの絵からドキュメンタリーはスタートする。拾う人捨てる人。漁られて怒る人、拾えて喜ぶ人。二種類の人間に焦点を合わせながら、自分の映画もまた、社会からの落穂拾いであることを示唆する。
一つの動作、一つの作品から、ここまでテーマを膨らませることができることに驚き。もしかしたら行き当たりばったりで撮影は進んでおるのかもだけど、彼女の好奇心と映像への愛着と興味が、作品を傑作へと押し上げている。
トラックを手で掴もうとするところ、カメラのキャップをダンスさせるところ、天井のカビとひび割れを油絵と褒めるところが好き。