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水俣 患者さんとその世界のkogureawesomeのレビュー・感想・評価

水俣 患者さんとその世界(1971年製作の映画)
4.5
この映画の撮影当時、患者総数は29世帯121名でしかなかった。(のちに1万5千人に近い数にのぼった。実際には何倍もいるだろう、ひょっとすると何十倍も)
その29世帯を全部撮影すると土本監督は考えた。
 死者の思い出を語る家族、成人の患者自身、小児患者、胎児性患者を順に撮っていった。

裁判を契機に熊本県で始まった告発運動が全国へ支援の輪がひろがっていく。大阪で行われるチッソの株主総会で患者たちと社長、役員の対面がクライマックスになる。

石牟礼道子の『苦海浄土』を読んだ方には、是非、土本監督のドキュメンタリーも観て欲しいと思った。

石牟礼道子もほんの一瞬うつってます。

土本「一番苦労したのは僕をいれて4、5人のスタッフが患者さんを囲んでいますから威圧感を感じるのが当然です。こちらに対する安心感をどう作ってもらえるかをいつも考えていました。」それで「誰でも人に一番見てほしいもの、撮ってほしいもの、分かって欲しいものを、必ず一つ二つは持っているんです。例えば自慢のメジロを飼っていたり、かわいい子猫とか、水俣病とは関係ないけれど、とても慈しんでいるものがある。それを最初に撮ることにしたんです」
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