みやび

エレファント・マンのみやびのレビュー・感想・評価

エレファント・マン(1980年製作の映画)
4.4
人は理解のできないものに恐怖心を抱く。
そして自分よりも弱い物だと気がつくと好奇の目を向ける。

見た目の醜さが問題なのか。
人間の心の持つ醜さ、そして心の温かさを繊細に、そしてストレートに描いている。
偽善なのか、無償の愛なのか、線引きが曖昧なふたつの行動に疑念が浮かび、悩まされる。これぞ痛烈な皮肉。

モノクロ映像が当時のロンドンを上手く見せてくれている。
薄暗く冷淡な映像が、産業革命の華やかさの陰の面を表現していると感じた。

主人公の純粋さに涙し、人間の持つ醜さに怒りを、そして自分の持つ感情が偽善であることに気が付かされる。
美しい心が周りを巻き込み変化させる。同時に心の醜さを描いている、悔しくてそして切なく美しい。
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