牧野

スタンド・バイ・ミーの牧野のネタバレレビュー・内容・結末

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

大切な思い出って心の支えになるし、お守りだし、居場所になる。ジュブナイル映画、だけどこんなに心に染みて涙が出てしまうのはノスタルジーを感じるから。戻れない思い出ほど美しいものはない。

冒頭の語り「初めて死体を見た」が不穏すぎて、仲の良い友達が死ぬんだな...と思って見始めたら思わぬところで伏線回収されエンディングは号泣だった。そんな...そんな.......。

4人の男の子が死体を見つけに行く話。言ってしまえばそれなんだけど...車でならすぐに着く距離を、わざわざ線路の上を歩いて行く。問題のある男の子達のバカな旅...でもその旅を通して心を開けるようになって、それを友達が受け止めてくれる...その心の動きがとても綺麗で、少年っていいな...って。もうそれだけで私の心が浄化された。

給食費を盗んだことを疑われ(盗んだけど返そうとした)、荒れた家庭環境のせいで本人ではなく貼られたレッテルで見られる。尊敬していた大人に裏切られ、誰も自分のことを知らない地に行きたいと涙を流すクリス。出来の良い兄が事故で亡くなり両親から愛を与えてもらえない上、自分の好きなもの(物語を作る)に否定的な父親を持つゴーディ。
お互いはじめて悲しいという気持ちを吐露し合い涙を流す、抱きしめて肯定してくれる。こんなに真っ直ぐに君が好きだと言える(言葉として好きとは言ってないけれどそういう)関係って本当に...少年と青年の狭間の12歳だからできたことだな。12歳の時に心を支えてくれる人がいたから、クリスは弁護士になれたしゴーディは小説家になった。生き方に影響を与える大切で重要な存在だった。たとえ距離が離れ会わなくなっても心が繋がった友達は一生大切な存在だった...。Darling darling Stand by me エンディングまでが映画。切なすぎる。

ところで、リヴァーフェニックスがかっこよくて可愛いすぎる。もうこの世にいないことを知って二度泣いた。

原作はthe bodyだと言うことも映画を見終わった後知った。ゴーディの創作がゲロまみれなのも、ヒルに吸血され性器から血を流す(=初潮、大人への階段を登った表現に見えた)のもこれは本当にジュブナイル映画か?!と思ったけど原作を書いているのがホラー小説家と聞いて納得。
牧野

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