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果てなき船路のkazu1961のレビュー・感想・評価

果てなき船路(1940年製作の映画)
3.8
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-188 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋ジョン・フォード監督の隠れた傑作と言われている作品です。戦時中にNTT爆弾を搬ぶ船であるが故に陸に上がることのできない船員たちの苦悩や葛藤を描いた群衆劇です。フォード組が演じるそれぞれのキャラクター個々の心情描写がとても素晴らしくヒューマニズムを感じる作品です。

🖋主役扱いはジョン・ウェインなんですが、登場人物それぞれに見せ場がある群衆劇のため少し存在感は薄いかもしれません(笑)。

🖋そして何よりも本作の見どころは、その表現主義的なグレッグ・トーランドの芸術的なカメラワークがとても印象的なこと。オープニングの映像の素晴らしさから惹きつけられ、陰影に富んだライティングやローアングルなどを巧く多様し引き締まった芸術性を感じさせてくれる映像の数々がとても素敵です!!

😌Story:(参考: allcinema)
西インド諸島のある島に停泊中の商船グレンケアン。船員たちは下船を許されず、一人最古参のドリストル(ミッチェル)が酒を調達し、女たちを呼んでくる。一人浮かぬ顔のスミティ(ハンター)もみなが浮かれ騒ぐのを見るうち明るさを取り戻すが、乱闘騒ぎとなって宴はお開きとなる。大戦の勃発を聞き、船の積み荷は危険なTNT爆弾に変更。支払いも増すが、秘密厳守のため寄港地での下船は一切許されないと聞くと、スミティは逃げ出すが出発間際に連れ戻される。彼はアル中なのだが、夜間、船中を酒を物色して回る様がスパイ行為と間違われ、みなに私刑にされかかる。が、彼が必死に守ろうとした金属の箱の中にあったのは、士官を免官になり、船乗りに墜ちた夫を励ます妻の感動的な手紙だった。これを読み上げたドリスコルは、戦争の恐怖に踊らされた自分たちの愚かさを嘲笑う。スウェーデン青年のオリー(ウェイン)はこの航海を最後に故郷に戻って農場を始めるつもりだ。そのための資金は充分貯まった。それを上着の襟首に縫いつけて、仲間と共に到着港のロンドンで下船。だが、北欧行きの船が出るまで時間があり、仲間と過ごすうち、闇酒場の従業員に身ぐるみ剥がされそうになるが、仲間たちに救われる(この上陸場面の乱痴気はフォードらしい豪快さとスリルに満ちて最高)。が、その騒ぎで卒倒したドリスコルは“悪魔の船”と噂されるアミンドラ号に引きずられて行ってしまう。

🔸Database🔸
・邦題 :『果てなき航路 』
・原題 :『The Long Voyage Home』
・製作国 : アメリカ
・初公開 : 1940
・日本公開 : 1949/05/14
・上映時間 : 105分
・受賞 : ※※※
・監督 : ジョン・フォード
・脚本 : ダドリー・ニコルズ、ユージン・オニール
・原作 : ※※※
・撮影 : グレッグ・トーランド
・音楽 : リチャード・ヘイグマン
・出演 : ジョン・ウェイン、トーマス・ミッチェル、イアン・ハンター、ウォード・ボンド、バリー・フィッツジェラルド

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「荒野の決闘」のジョン・フォードが「怒りの葡萄」のあと「タバコ・ロード」の前に、ウォルター・ウェンジャーのために監督したもので、1940年作品である。ユージーン・オニールの初期の海洋劇4篇に基づいて「世界の母」「男の敵」のダドリー・ニコルズが脚本を書いた。撮影は最近物故した「我等の生涯の最良の年」のグレッグ・トーランドである。出演は「駅馬車(1939)」「拳銃の町」のジョン・ウェイン、「冒険」「駅馬車」のトーマス・ミッチェル、「ベデリア」のアイアン・ハンター、「裸の町」のバリー・フィッツジェラルド、「悪魔の金」のジョン・クェーレン、「荒野の決闘」のワード・ボンド、英国の俳優のウイルフレッド・ロースン、「青春の宿」のミルドレッド・ナットウィック、アーサー・シールズ、ジョセフ・ソーヤー、J・M・ケリガン等で、音楽はリチャード・ヘイゲマンが作曲している。
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