ドント

ピカソ・トリガー/殺しのコード・ネームのドントのレビュー・感想・評価

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 1988年。悪の組織のボス通称「ピカソ・トリガー」が射殺され、時を同じくして秘密捜査エージェントたちが次々と手をかけられる。ピカソ・トリガーの弟と一味が組織の実権を握るために仕組んだ作戦と見たエージェントたちは捜査と攻撃を開示して爆発とか射殺とかカラテとか爆発とかでやっつけていく。
「プレイボーイ」誌でヌードを披露している女性たち=プレイメイトを揃えたセクシー・アクション・ムービー。美女と筋肉はともかく敵味方のオッサン連中がやたらと多い上に誰がどういう役回りなのかよくわからない。そもそもどういう話なのかがわかってくるのが後半なのである。セクシーアクションであることを無視してもこの煩雑さ、わかりづらさ、ゴチャゴチャぶりはちとストレスだった。
 プレイメイト出演、というわけでヌードやラブシーンはあるものの、今から観ると簡素で節度あるものばかりで本当に「セクシー」くらいの感じである。ではアクションは? ボート、バイクチェイスはあるし筋肉モリモリの男衆も出てくるが、チェイスはおっかけっこだし筋肉モリモリはモリモリしているだけである。てなことでまぁ、特筆するような要素はないです。
 とは言えこのセクシーとアクションと爆発しかない、この「しかない」ことが、多種多様な娯楽溢れる現代から観ると非常にシンプルで、また性的な暴力は一切なく、脱ぐシーンも撮る側に業や執着のようなものがないし、ラブシーンは男女がイイ感じになって絡むのみ。なんというか、健康的なのだ。
 さらに言うなら全体に間が抜けていて、だらん、としている。アクションすらもイモっぽい。たとえば。敵が爆薬つきの矢をバイクに射られて、身を乗り出して刺さった矢を確認して、「???」という顔をしてからバイクが爆発四散、という場面がある。どうしようもないが、この間抜けさが愛おしい。こんなんなのに適宜爆発などさせて画面を派手にするあたりはサービス精神がある。
 無思想で、おそろしく無邪気な映画と言えるだろう。しかしこれだけフニャフニャだと逆に、愛嬌のようなものが生まれてくる。映画とは不思議なものである。まぁ、面白くはないです。疲れて眠れない時に見たらいいのかもしれません。おわり。
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