がちゃん

処女の生血のがちゃんのレビュー・感想・評価

処女の生血(1974年製作の映画)
3.7
B級感たっぷりの邦題で、
実際、中身もB級なのだが、
それはそれで、案外楽しめる一編。

製作者のアンディー・ウォーホールは、
“悪魔のはらわた ”で、フランケンシュタインのパロディを試みたが、
今回は、もう一方の怪奇映画の雄、
ドラキュラ伯爵をパロディに仕立て上げた。

この作品を観るためには、
ひとつお約束を知っておく必要がある。
ドラキュラ伯爵は処女の生血を吸って生きているということ。

ルーマニアの城に住んでいたドラキュラ伯爵だったが、
処女が周りにいなくなり、栄養失調で倒れる寸前。

由緒あるドラキュラ家の血を絶やすまいと、
ドラキュラ伯爵と執事のアントンは、
処女を探しにイタリアへ。

二人は豪華な屋敷にたどり着き、
そこに住む美しい四姉妹に目をつけるのだが、
清純そうな外観とは裏腹に・・・

処女だと思って首に噛み付いて血を吸うのだが、
処女じゃなかったためゲーッと吐いてしまうのが最高。

四姉妹の両親は、
ドラキュラとの結婚を望んでいるのだが、
真ん中の二人は近親相姦でレズビアン。
しかも、二人とも使用人の若い男と関係している。

客であるドラキュラのことを、
「顔が青い」だの「今にも倒れそう」などと、
陰口をたたいているのも笑わせるし、
ドラキュラが車の上に棺を載せて旅するのも愉快。

物語の三分の二くらいまでは、
こういったパロディ的なコメディ調でわりとのんびりと進んでいくのだが、
クライマックスは打って変わって、
ゴアな展開を見せる。

まじめに観ていると、トンデモ場面が連続し、
眉をひそめるような方もいるかもしれないが、
これからやって来るうだるような暑さの夏の夜には、
ちょうどいい作品じゃないかな。
がちゃん

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