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ローリング・サンダーのmareのレビュー・感想・評価

ローリング・サンダー(1977年製作の映画)
3.5
渇いた苦痛の連続でありながらそれを痛がる様子もなくダウナーなムードが終始徹底されたアメリカンニューシネマ。ベトナム戦争下、捕虜としての体験が歯向かう闘志すらも削いでしまったように見えるドライな主人公の佇まいが物悲しい。しかし大切なものを目の前で失ったトラウマが火をつけ、男を静かなる復讐に駆り立てる。アメリカンニューシネマの特徴でもあると思うが、潔く蛇足にならない終わり方が清々しい。シンプルなプロットで明確なゴールを敷いて、目的を終えればそのまま映画が終わる。後日談などは省いて綺麗に風呂敷を畳もうとしない描き方がカッコいい。
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