今作で確信したことがある。映画における音楽は、背景や文脈を超えて強烈に輝く時がると言うことである。今作はその最たる例と言えるのではないだろうか。
日本人がイメージするアメリカとはかけ離れた静謐な、且つどこか親しみを感じられる田舎道をギターとハーモニカ引っ提げそのひぐらしをしていく。
そんな雰囲気とブルースのシナジーがこれ以上なく噛み合っている。
正直、今作の内容自体は深みがあるようでないような、よくわからない内容。否、多分ない。(笑)結局ウィリーの過去は曖昧だし、ラストのギターバトルの件も強引だ。
ユージーンは旅の道中自身の二つ名をライトニングと命名する。
このライトニングが体現するように音楽は一発で聴衆の完成に突き刺す何かを備えた即効性のある唯一無二のエンターテイメントなのではないだろうか。ユージーンがラストシーンで、自身の見つけたかった音楽を、30曲目を即興で創り出したように。そしてその自由さや枠に収まらないスタイルは正にブルースをも体現していると思う。そう感じることができるのは正に先述した音楽の唯一無二の輝きであると私は確信したのである。
なので、個人的には結構好きな作品。良かった。