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残菊物語のkazu1961のレビュー・感想・評価

残菊物語(1939年製作の映画)
4.0
▪️JPTitle :「残菊物語(1939)」
ORTitle: ※※※
▪️First Release Year : 1939
▪️JP Release Date : 1939/10/09
▪️Production Country : 日本
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record : 2022-254 再鑑賞
🕰Running Time : 142分
▪️Director : 溝口健二
▪️Writer : 依田義賢、構成 川口松太郎
▪️MusicD : 深井史郎
▪️Cast : 花柳章太郎、森赫子、河原崎権十郎
▪️#死ぬまでに観たい映画1001本 389/1011
▪️Review
🖋日本王道の悲恋の物語。何度も舞台、映画化、ドラマ化されている作品で、戦前の溝口健二監督作品の中でも高い評価で、かつ重要な位置を占める作品です。明治時代の歌舞伎界を舞台にした愛のドラマで、見事なまでの気品に溢れる形式的な厳格さを保ちながら、芸に精進する役者と、彼を支え続ける女性を見事に描き、さらに女性に自己犠牲を強いる社会構造を強く批判している作品です。

🖋わたしの敬愛する淀川長治氏は黒澤明の『羅生門』、小津安二郎の『戸田家の兄妹』と共に、自身の邦画ベスト3に本作品を挙げています。

🖋溝口監督独特の長回しによって、物語はゆっくりと展開し、決して変えることのできない現実をより広角的かつ複雑な構造で包みこんでいきます。この作品をもって溝口演出の特徴である「1シーン1カット」は完成したんですね。

🖋さらに、戦前の新派、新劇、歌舞伎界の名優が多数出演しています。今の俳優にはない気品やさりげない仕草などにも注目です。

🖋本作、溝口作品の中で、ほぼ全てが現存する数少ない戦前作品ですが、さらにデジタルリマスターされた作品で鑑賞できるので、多少の台詞の聴きづらさはあるもののその世界観は十分に堪能できます。

🖋物語は。。。
明治時代初期の東京。人気が出て天狗になっていた二代目・尾上菊之助は、義弟の若い乳母お徳に自分の芸を批判され、そこで自身の名声が義父である五代目・尾上菊五郎の威光によるだけのものと気づかされます。やがて菊之助とお徳は心通わせるようになっていきますが、周囲は身分違いの恋を危惧してお徳を追い出してしまいます。絶望した菊之助は家を出て、大阪に出て芸を磨こうとしますが。。。

▪️Overview (映画. comより)
2代目・尾上菊之助の悲恋をつづった村松梢風の同名小説を映画化し、溝口健二監督の代表作のひとつとなった傑作時代劇。5代目・尾上菊五郎の養子として周囲からもてはやされて育った菊之助は、自分の芸の未熟さを率直に指摘してくれる弟の乳母・お徳に恋心を抱く。ところが、ふたりの身分違いの恋に周囲は猛反対。家を飛び出してお徳と一緒に大阪へやって来た菊之助は、旅役者になって貧しい暮らしを送るが……。
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