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スーパーマンのmitakosamaのレビュー・感想・評価

スーパーマン(1941年製作の映画)
3.4
フライシャースタジオによるスーパーマン初のアニメーション作品。
戦前にこのクオリティですよ。改めて凄い。

1話10分程度だが、毎回同じオープニングが1分くらい入る。こういうのも今のアニメーションに繋がる“尺稼ぎ”の元祖なのよね。
毎回「アレはなんだ?鳥だ!飛行機だ!いやスーパーマンだ!」と刷り込みが行われる。
いわばワンピースが毎回「海賊王に俺はなる!」言うのの元祖。如何に今のアニメのフォーマットを築いているかがわかる。

有名なのは銀行強盗ロボットの話。宮崎駿がルパン三世2シリーズ最終「わが愛しのルパン」で完璧なオマージュ作品を作ったからね。
今作のロボットがルパンのラムダになる訳だが、ビックリする程似てる。

また、影の多様も興味深い。スーパーマンの変身シーン・銀行強盗ロボの飛行シーン、他にも悪役が暴力を振るうシーンなど様々な場面がシルエットで表現されている。制作コスト削減のための描込み制限だとは思うが、コレにより見る側のイマジネーションが刺激される。
この演出も虫プロ的な省略術に先駆けていた事がわかると思う。

また人体デッサンがしっかりしている上に、キャラクターのアクションに大げさな動きが多く、芝居染みているため、判りやすいのもポイント。
この辺はむしろ、後のタツノコに近い。

ディズニーだけでなくフライシャーも日本のアニメーションにも少なからず影響があることは明確だ。パブリックドメインになったので、WIKIでも見る事が出来る。是非ご覧あれ。
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