昔、チラッと観てショボいイメージがあったのですがちゃんと観てみるとオモロいやん。
2011年版より今作の方が好きですね。
ジョーを演じているのは舞台版「あしたのジョー」に引き続き石橋正次。
見た目は全然矢吹丈ではないのですが、これが思いのほかハマっています。
舞台版の為にか体も絞れてますしボクシングも様になっています。
ジョーって漫画ならギリ受け入れられますが実写化すると生々しい犯罪を犯し、言動もほぼキ○ガイです。
そこを飲み込みやすくするため山P版ジョーは異常なほど無口だったのですが、今作のジョーは原作ママの暴れん坊です。
丹下段平を演じた辰巳柳太郎がイイ。
ほとんどコスプレモノマネだった香川照之に比べ見た目はそこまで寄せていないのに完全に丹下のおっつぁんです。
マンモス西のマンモス西感もすごいです。
そして何よりすごいのは力石徹を演じた亀石征一郎のカッコよさと力石徹感。
これは凄いですよ。
2011年版の伊勢谷友介は漫画版ではなく確実に今作の亀石征一郎の力石に寄せてますね。
千葉真一の盟友でありJACの重役だっただけあってボクシングアクションも堂に入っています。
全体的に原作漫画にそこまでビジュアルを寄せなくてもしっかりとキャラクターに寄せられているので漫画実写化作品としてのバランスはいいと思います。
なによりリアルな1970年代の日本の風景と空気感は映像技術がどんなに上がっても再現出来ないでしょう。
ボクシングシーンも頑張ってはいますが1971年当時の技術やカメラワークの限界を感じます。
ただ「あしたのジョー」を一作で映画化するとどうしても駆け足で展開しラストは力石が死ぬシーンになってしまうので作品としてのカタルシスが非常に得にくい構成になってしまいます。
今作もトンデモないところで完結します。
どういう気分で劇場を後にしていたんでしょう当時の観客は。