クリプトン星人

男はつらいよのクリプトン星人のレビュー・感想・評価

男はつらいよ(1969年製作の映画)
4.0
結構毛だらけ猫灰だらけ、尻の周りは糞だらけってね!

中の人が透けて見えるという話は大抵が嫌味で言うものでございましょうが、此れに申しまするは、また別の話にございまして。

優しいなあ。優しさが滲み出ちまってるってもんだ。
いえね、最初は大層ふてぇ野郎がいたもんだって愛想尽かせていたんだけどね。
いまや、その男の話し方を真似しちまってるときたもんだ。

惚れたね。惚れちまったんだなあ。

博がプイッと「大学も出てない職工には、櫻さんを嫁にやれないっていうのか」って文句を垂れた後に「僕は親兄弟もいないも同然だし、大学も出ていないから…」なんて言ってたみてえにさ。大方の人間は芯がブレてるってもんだ。

え。だけどよ。この男、寅次郎はよ。自分の信念がブレる時は身内に絆されたときだけよ。
はやい話がだ。俺が芋食ってお前の尻からプッって屁が出るかってもんよ。

大事なものがハッキリしてんだよ。

櫻が大好きなんだね。

登を気にかけてんだね。

櫻も登も、そんなお兄ちゃんが大好きなんだね。

可愛いナニに絆された日にゃあ、頷くしかないってもんかい。
ぶっ壊れたツラでよ。

しかし、ここは埃っぽくて敵わねぇな。
目に猫の毛でも入りやがったか。

邪魔したね。