佐藤克巳

彦六大いに笑ふの佐藤克巳のレビュー・感想・評価

彦六大いに笑ふ(1936年製作の映画)
5.0
プロレタリア劇作家三好十郎原作、脚本の重厚な人間模様が感動を呼ぶ木村荘十二監督が心血を注いだ力作。浅草の一廓に地上げ屋小杉義男がカフェ店主小島洋々を引き連れ、最後まで抵抗するビリヤード店主彦六徳川夢声と娘ダンサーミル堤真佐子を脅す。妾母お辻英百合子は、地上げ屋側に既に裏切り、カフェ女給清川虹子と立ち退き後の食堂女給頭を争う。そこへ乱暴者で家を飛び出した息子彦一丸山定夫が帰って来た。彦六は、三多摩自由党崩れの活動家の前歴、彦一は、土方で三多摩で一家を構え子供が生まれた。ミルは、アコーディオン奏者河村弘二との結婚を父から承諾を得た。三人は、笑い高らかにこの街を捨て、三多摩に引っ越すのだった。出演した全員の演技の凄さもさることながら、美術久保一雄等スタッフの支えも素晴らしい。
佐藤克巳

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