しゅんろっく

トゥモロー・ワールドのしゅんろっくのレビュー・感想・評価

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)
4.0
アマプラで鑑賞。初見。キュアロン作品は「ローマ」しか見てないが、「ローマ」はかなり好きだった。キュアロン自身の幼少期がベースになっているとのことだったが、犬のうんこ・体操・クーデター・マチズモ等、様々な要素が複雑にからみ合い、見事な映画だった。
こちらは近未来SF。子供が生まることがないという世界の構築が見事だった。特に冒頭の町の様子は、「ブレードランナー」とはまた違ったとんでもない殺伐とした空気が伝わり、映画的な体験としてすごいものがあった。
それから、この映画で多くの語種となっている長回し。車が襲われるシーンと戦火の中を逃避するシーンは、評判通りのもので、歴史に残るだろう。
「ローマ」を見たことがある者としては、作品の世界観とテーマは監督自身がメキシコで遭った体験に基づいているような気がする。メキシコの近代の政治史も少し掘ってみたい。
これもよく言われているようだが、邦題がひど過ぎて、これで避けている人がいたら悲しい。