原作未読で鑑賞…したら、
印象に残る台詞やシーンがテンポよく繋がって、ストーリーとしても、ちゃんと成立はしているのですが、
大森南朋さんの演じる「陣内」を中心に登場人物から発せられる、インパクトはあるけど、どちらかというと抽象的だったりわかりやすさが削がれた感のある言葉に、つい「その心は?」と背景が知りたくなってしまって、
鑑賞後すぐ、この感想を書く前に原作を読みました。
その上で。
映画という形で再構成されたものとしては、ミステリーの要素やエモーショナルなシーンも含め、スタイリッシュに小気味よく纏まっていて、楽しめたなと。
ああ、この台詞にはこういうバックグラウンドがあって…と、ちゃんと人が発した言葉として伝わる感覚を得られました。
で、私にとって、この作品を鑑賞したことによる素晴らしい恩恵は、伊坂ワールドな原作(と、なんなら続編にあたる作品までも)を、映画に出演された素晴らしい役者さんで脳内再生できるようになったことでした。
映画の「永瀬」はそもそものキャラの設定+加瀬亮さんの演技で、序盤かなり強烈なインパクトかましながら、え、後はもう絡んでこないの?っていう勿体ないキャラで、加瀬さんの永瀬がもっと見たい!永瀬はもっと、なんかあるはず!という思いが「ちょっと原作読んでこよう!」に繋がったのですが、
…原作を読んでいる間、私の頭の中では、盲導犬を連れた加瀬さん(サイコー)の永瀬のストーリーが映像として、ちゃんと短編の数だけ(続編の長編でも)完成しました!イイ!
映画と原作の合わせ技で、こういう楽しみ方ができたというのが、すごく収穫でホクホクです♬