ちろる

フランケンシュタインの花嫁のちろるのレビュー・感想・評価

3.7
恐ろしい怪物として忌み嫌われて殺されたフランケンシュタイン。
そのフランケンシュタインが実は生きていたという、創造主メアリー・シェリーの語りから始まるオープニングから引き込まれる。
つぎはぎだらけの恐ろしい見た目故に「怪物」と決めつけられ、村を追われた彼が耳にしたのは美しいバイオリンの音色。
初めて出会った盲目の友達とのひと時のフランケンシュタインの温かい笑顔が好き。
「偏見」によってそのかけがえのない時間すら奪われて、その瞳はまた悲しげだった。

怪しい博士の欲望により、人間の域を優に超えたフランケンシュタインの花嫁大作戦は残酷なラストを迎えるが、果たして真の怪物とは誰なのかを問いかけられているよう。
人間の心に生まれる「恐怖心」が、怪物や獰猛な動物よりも狂気となる可能性があるのだろう。

かなり古いので映像は荒いけれど、そのお陰で悲しみのフランケンシュタインの姿が安っぽく見えず、不気味さがちゃんと感じられてホラーファンタジーとしての見応えはバッチリ。
またいつかフランケンシュタインがあの盲目のおじいさんと再会して欲しいな。
ちろる

ちろる