碧

白夜の碧のレビュー・感想・評価

白夜(1957年製作の映画)
4.1
20代の頃、映画好きな友人に勧められて見て、モノクロだけどロマンチック、マリア・シェルがきれいで可愛いらしい。相手役はもっと若い男性にすればいいのにと思った。

10年くらい前、子育てが一段落して名画座通いをしていたころまた見たら、マルチェロ・マストロヤンニがすごくチャーミングだと気がついてびっくりした。
そして、セットを多用した演劇のような、感情に密接に向かい合う臨場感。
夜の港街の瑞々しい映像美、見ごたえのあるダンスシーン、見事なラスト。

今回は新しく通い始めた図書館で見つけたDVDで鑑賞した。
マルチェロ・マストロヤンニは変わらず魅力的だと感じる。
幻想的な作品の中で情熱的に女性を口説いても浮かないのは、一つ一つの演技が繊細で上手なのか、本来の彼の持つ魅力なのか。
マリア・シェルは、少女のようとも評されるが、女性の私から見ても少し笑顔と行動が浮世離れしている。
でも不思議な美しさと力があって、彼女でなければ、そしてこの演技でなければこの作品は成立しなかったと感じる。

私にとって大切な映画のひとつ。
今度また映画館で見たい。
碧