映画大好きザウルスくん

マネートレインの映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

マネートレイン(1995年製作の映画)
3.5
同じ家で兄弟同然に育ち、共にNY地下鉄の警察官となったジョン(スナイプス)とチャーリー(ウディ・ハレルソン)だったが、借金の取り立てに追われたチャーリーは鉄道の売上金を運ぶマネートレインを襲う強盗計画を実行してしまう…。愛すべき弟分がドジなせいで様々な事件に巻き込まれるものの、人情と腕っ節の強さで全てを解決させた上に肉食系美女(ジェニファー・ロペス)までゲットするスナイプスを描いた本作は、番長としてのスナイプスの魅力を存分に発揮できていたのではないでしょうか!??

スナイプスと白人の義理の弟と美女の三角関係を主軸としていた前半では人情味溢れる兄貴分の役を多彩な表情で表現する「演技派」としてのスナイプスを描けていて、地下鉄周辺での犯人達との追っかけ合いでは走ったり飛び越えたりするスナイプスの姿から運動能力の高さを伺えて、地下鉄スタッフを恐怖のドン底に落とし入れる放火殺人犯や弟を追い詰める借金取りギャングに対しては空手殺法を駆使した圧巻の格闘術で制裁を加え、オマケに鍛え上げられた身体でスパーリングやセックスするといった「肉体派」としてのスナイプスも描けていて、少なくともスナイプスのアイドル映画としては素晴らしい作品だと思いました!特に借金取りの親玉にローリング・ソバット(ヴァンダムの「ヘリコプターキック」とほぼ同型)を放つシーンとその直前にガードマンに跳びヒザ蹴りを放つシーンには痺れました🥳

という風にスナイプスファンから観るとまずまずな出来だったと思うのですが、話が複数の方向に広がっていたため全体的にまとまりの悪さを感じたのも事実です。前半で軸となっていたヒロインとの関係は後半ではかなりアッサリしたものになっていたし、1番の敵は放火殺人犯になるのかと思いきやずっとウザかった上官がラスボスポジションになったり(まあ放火殺人犯は最初から少し小者感があったんですがね)、義弟がマネートレイン強盗になるのも予感はあったけど流石に展開としてどうかと思うし、最後は完全なるハッピーエンドで義弟もスナイプスも何の罪にも問われずに終わるし…。もしかしたらスナイプスの広い振れ幅の全てに触れようとすると、このような取っ散らかった作品にならざるを得ないのかもしれませんね。最後の大見せ場がマネートレインを駆使したトレインアクションになるため、スナイプスのアクションが一切発動されない辺りも気になりましたが、まあこれに関してはスナイプスバイアスを掛け過ぎた僕側にも責任があるので何とも言えません…🫢

最後にこの作品の2人の脚本家を調べてみたらダグ・リチャードソンは『ダイ・ハード2』、デイビッド・ローリーは『パッセンジャー57』の脚本をそれぞれ担当していて、僕からすると面白いんだけど若干微妙さを感じる2作品が並んでいたことから、恐らく本作も僕との相性が悪かっただけでめちゃくちゃ好きという方も多いのかもしれません。エンディングに入るラストカットでの粋な演出など上手さを感じる部分も多いので、ぜひ皆さんにもご自身の目で観て評価して頂きたいと思います🙌