変すぎる映画。映画というよりも、ホームビデオの断片を繋ぎ合わせたような作品。これといった物語は皆無で、とにかく絶対に住みたくないと思う治安が悪くて生臭さの漂う最悪な街の映像が続く。
映画ってこんなに自由で良いんだなって思わせてくれる作品。とにかく奇想天外で登場キャラクターの説明は殆どない。とにかく登場させたい要素を出しまくっている映画という感じで、作り手のエゴに溢れていて最高。
本当に最悪でつまらない映画なんだけれど、心に残る。見たことのない映像しか出てこない凄さ。無限にコンテンツが溢れる現代の創作において、新鮮さを感じるってかなり凄いことをしてるんじゃないかって思う。
ホームビデオ風に物語が進むので、自分もこの街の一員になった気分になってくる。映画の中にガラの悪い若者集団が椅子を破壊するシーンがあるのだが、自分も彼らと一緒に椅子を破壊している気分になった。映画でこのシーンを見た、というよりも、彼らと一緒に椅子を破壊した思い出が記憶に刻まれるような感覚がある。
まぁ全てに関して不快で気持ちが悪いんだけれど、見てよかったなとは思う。唯一無二の体験ができるよ。
