たけちゃん

ウンベルトDのたけちゃんのレビュー・感想・評価

ウンベルトD(1952年製作の映画)
3.8
残念ながら、人生においてがんばれば、真面目にやれば必ずしも報われるわけではない。
むしろ、報われない事の方が多いのではないか?

ウンベルトは年金暮らしの70歳の老人、家族はおらず愛犬フライクと暮らしているが、大家の家賃が厳しく、ついには家を追い出される。自分の一部のような愛犬を手放さなくてはならない非情な気持ち、尊厳をかなぐり捨てることができない様子など、もう、見てるだけで胃のあたりが変な感じになります。
イタリアのネオリアリズム映画であるので、おとぎ話のような事は起こらない。だけれども希望を捨てきれない。

■参考メモ
ネオレアリズモ(イタリア語: Neorealismo)とはイタリアにおいて、1940年代から1950年代にかけて特に映画と文学の分野で盛んになった潮流。ロケ地で撮影され、プロではない俳優が出演することも。主に第二次世界大戦後のイタリアの困難な経済的および道徳的状況を扱っており、貧困、抑圧、不正義、絶望、イタリアの精神と日常生活の変化する状況を表しています。
*主演のカルロ・バッティスティはフィレンツェ大学の言語学教授