浅野公喜

TINA ティナの浅野公喜のレビュー・感想・評価

TINA ティナ(1993年製作の映画)
4.1
ライオンヘアでお馴染みの大御所ド迫力シンガー、ティナ・ターナーの半生を描いた作品。ティナは「マッドマックス サンダードーム」にも出演しています。

夫であるアイク・ターナーと共にヒットを飛ばすわけですが、ここで描かれるのはアキコ・ワダも真っ青、そして裸足で逃げ出すようなR&B(リズム&暴力)の世界。どんどん注目を浴びていくティナへの嫉妬もおそらく原因であろうアイクからティナへの執拗なDVはやがて子供にも及び、堕落した生活を送る割に妙にプライドは高い男の醜さが描かれています。

対するティナも仏教に救いを求め、時にラウドなロックが流れる中仏壇の前でお祈りするシーンは日本人にとっては違和感を覚えるかもしれませんが、そういったものに頼らざるを得ない位追い込まれる生活を強いられているアメリカ人女性の現実も浮かび上がってきます。そしてティナを演じるアンジェラ・バセットの筋肉も凄く、その割にはアイクに余り対抗はしないんですが終盤には車のドアを強く閉めた勢いでガラスがひび割れる程のパワーを披露し(笑)、その苦しめられても不死鳥のように這い上がる姿は女性として人間として美しく、冒頭の「蓮の花は泥が深ければ深いほど美しく咲く」を体現しています。

劇中の「Proud Mary」辺りのパフォーマンスも素晴らしいですが、やはり本人達のものを是非興味を持った人達は見て欲しい所。パワーが凄まじいですし、下記の動画ではジョジョのスタンドのようなコーラス隊・アイケッツの動きにも注目です。
https://www.youtube.com/watch?v=hzQnPz6TpGc

ついでに言うと映画公開当時のアイク本人のインタビュー映像が下記のものですが、喋り方を見ると演じたローレンス・フィッシュバーンの再現度が結構高い事が伺えます。
https://www.youtube.com/watch?v=IPNEEm1vRGc
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