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時をかける少女のmitakosamaのレビュー・感想・評価

時をかける少女(2006年製作の映画)
4.3
良いよねぇ、細田版時かけ。甘酸っぱい青春時代の描写にキュンキュンするよ。僕はこんな青春過ごさなかったが。

何より細田守復活劇が嬉しかったよ。デジモンやワンピースの映画などでアニメファンには知られた名前だったけど、今作で一般に浸透したしね。
監督自身、ハウル降板で業界から干されるかと思ったと言ってたし、よくそこから浮上したと思う。

作風が固まったのも大きいと思う。キャラデザに貞本を起用し、陰影を強調しない絵柄にして動くアニメーションを目指した。

そして、実はかなり狭い世界観であるということも細田の特徴に1つなった。登場人物とその周り以外の世界が感じられない世界観。
細田のそういう所を否定的にとる意見も判るのだが、僕はあまり気にしないな。それは短所でなく、むしろ細田映画の個性だと思ってる。

筒井康隆の原作ありきだが、全く新しい“時かけ”になった。忠実なリメイクが重要視される昨今だが、時代に則した変化も必要だよね。
真琴も現代的だし、嫌味な所がないカラッとしたキャラクターだし、千秋・功介との三角関係もとってもピュアだ。

なによりも真琴の屈託の無い性格によるタイムリープが、青春時代の無限にある時間を感じさせるのが良い。若いときは幾らでもやり直しがきく。
若さの無限の可能性がこの映画にはある。これがこの映画の最大の魅力なんだと思う。

そして奥華子のガーネットの透明感よ。未来に「急いで行く!走って行く」という真琴の想いが爽やかに伝わる、心にしみる名曲。

なんかレビュー書いてて、自分が凄いオッサンになった気がしてきたのが軽くショックだ。
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