8Niagara8

ニーチェの馬の8Niagara8のレビュー・感想・評価

ニーチェの馬(2011年製作の映画)
4.2
極限なまでに厭世的。
我々の生きる社会、俗世からはかけ離れた二人の日々は我々が文明を通じて失ったものを感じさせる。
しかし、極限状態にあって、生き延びることは簡単なはずもない。
とはいえ、異なる性質のものであるが、同じように生きづらさを抱えている我々にも通ずるものがあり、極めて現代的な寓話である。
それに呼応するかのように荒涼たる映像と無口な人間、抑圧的な雰囲気。
反復的な二人の生活を傍観する我々にそれは痛ぶるように攻撃的な映像である。
それは人間の無力さを認めながら、生を是認する。
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