本作は、1977年作のホラー映画『The Hills Have Eyes』(邦題は『サランドラ』で、これは、四大精霊の一つで、火の精霊と言われる「サラマンドル」の名称から「マ」を取り去り、「ル」を「ラ」に変えたという「超ウルトラC」の命名)の、21世紀版リメイクである。
制作が2006年であるから、約30年ぶりのオリジナル題名の同名作品の制作であるが、このリメイクの制作には、本家本元のWes Cravenウェス・クレイヴン監督が製作者として参加している。このホラー・スプラッター映画の、知的な「教皇」W.クレイヴンが元々のオリジナルの脚本を書いており、また、彼自身が、1984年と1995年に『The Hills Have Eyes II』と『The Hills Have Eyes III』とを撮っているので、本作では、先祖返り的に、元となる1977年作品のストーリーに沿った形でストーリーが展開する。カメラの撮りようも、1970年代のセンスに合わせたような、少々濃い目の色彩ディザインであり、本作の初めの方に登場するガソリンスタンド「Gas Haven」の名は、本家Wes Cravenの名前をもじっていると言う。
監督は、Alexandre Ajaアレクサンドル・アジャというフランス人で、本作の3年前に撮った作品『ハイ・テンションHaute tension』で一躍ホラー映画界のスター監督になった人物である。ゆえに、21世紀版の『The Hills Have Eyes』は、より戦慄度では過激化した、テロル・ショッカーとなっている。