そうねだいたいね

フェイク・クライムのそうねだいたいねのレビュー・感想・評価

フェイク・クライム(2010年製作の映画)
3.8
今作は、素早い銃さばきで敵を一人残らず片付けるアクションキアヌではなく、『シークレット・パーティー』同様、ただ生かされている脱力キアヌが観れるという意味ではレアな作品。てか、これが本来のキアヌの姿なのでは!?キアヌ演じる流れに身を任せて生きてきたヘンリーが、銀行強盗を夢見るようになるまでが説明臭くなく自然。人間の感情の推移には本来説明のできないものが多少なりとも影響しているというようなことを言われてるような、だがしかし説得力のあるリアルな心の動きに思わされて感動した。ジュリーとの出会いから、ジュリーが何度か退出するが、最終的にヘンリーと関係を持つ流れも運命のように思わされる自然な演出。その自然な展開に心を預けていると、忘れていた頃に予期せぬ奴らまで現れ、物語は一気に加速。映画が終わり、エンドクレジットの最中には「いやー、良い映画見たわ〜」と独り言を言わされてしまう傑作であった。銀行強盗の準備と同時進行で芝居を練習するヘンリーをもう少し観てみたかった。