浅野公喜

死霊の棲む館の浅野公喜のレビュー・感想・評価

死霊の棲む館(1986年製作の映画)
3.6
精神科医の男とその恋人である子持ちの歌手の女性が住み始めた家に憑りついた19世紀の奴隷商人の亡霊に悩まされるオカルトホラー。同時上映は「呪われたランプ」(こちらも観たい)でデ・パルマ監督「フューリー」にも出演し映画プロデューサーとしても活動しているアンドリュー・スティーヴンス主演。

一部BGMが明るめだったり一部クリーチャーの造形がコミカルだったりする一方で精神を患っている女性がメインのサスペンスホラーらしいエンディングが用意されていたりと真面目な作品なのかそうでないのかよく分からないちぐはぐな印象でどうせなら思い切りコメディホラーに仕上げて欲しかった所。雑で安っぽい部分も目立つのですがオムニバスホラー「デビルゾーン」のエミリオ・エステベス主演「悪夢のビデオゲーム」(The Bishop of Battle)のようなワイヤーフレームのCGで構成された仮面がパソコンから飛び出してきたり、終盤のクリーチャーのデザインが「ジーパーズ・クリーパーズ」の先駆けのようなものだったりとホラー好きなら反応する部分も有り、女性が見る幻想もお化け屋敷感覚で大きな顔やピアノが迫ったり特殊メイクも力が入ってたりと見所も多め。

製作された当時の段階で既にレトロな感覚も有るストーリーや設定に80年代らしい要素も盛り込まれた作品と捉えれば結構個性的で捨て難い魅力を持ってるかもしれません。
浅野公喜

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