Siesta

グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-のSiestaのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

リュクベッソンの初期代表作 まず何よりも海、風景の美しさ ドキュメンタリー、ロードムービーでない作品でこれほど風景の美しさが前面に押し出されている作品も珍しい 風景の広さ、広大な空間にポツンと浮かぶ船、人 ギリシャ、イタリア、フランスの街並み、海 風景、美しい音楽 自然音も生かされ、風景が音楽を邪魔せずに相乗効果を生んでいる
始まり方が下を舐めるようなカットから始まるのはリュックベッソンの手癖なのかな グランブルー、ニキータ、タクシーと レオンはどうだったかな モノクロの幼少時代 母の不在、父の死 海に潜り、金貨を取る 海に潜ること自体が得意で、そこに生きる者であることの示唆
エンゾとジャックの再会、ジョアンナとのロマンス ストーリーはあるようで、ないようなもの 潜水に魅せられたジャックとエンゾ 互いを高め合い、信頼し合い、ある意味で唯一の理解者であり ジョアンナとジャックの出会い、レストランでの笑いありの再会 ニューヨークに戻るも仕事をクビになってもジャックのもとへ セックスシーンを情感たっぷりロマンティックに描くあたりもリュックベッソンらしい そう考えるとレオンって奇跡的なバランスなんだよなぁと改めて思う
そして、海を愛し海に囚われた男たちの行く末 ミラクルな記録をジャックが打ち立て、それを越えようとしたエンゾは限界を超え死亡する ある意味で、彼が殺したとも言えるわけで ただ、海に沈むことを望むエンゾを理解するジャック ジョアンナから妊娠を告げられるも海と戯れ真に受けないダメダメな、本当に本当の家族は海だけという男の欠陥と悲哀 夜中に海に沈む夢のシークエンスも素晴らしい そこからの海に取り憑かれた男が向かう末路 海へ飛び出し、自身の子を身籠ったジョアンナではなく、海を選び飛び込む そして、イルカの見える暗闇へと消えゆくという「未知との遭遇」を想起するこのラスト 人としてはダメなのは良く分かる でも、この作品はこのラストでないとダメだよな
それから、めっちゃラッセンやな、って 海、イルカ、美しい空 音楽、ジャック、ジョアンナ、エンゾの雰囲気とか、めっちゃバブル期の若者のテンションと接続性高かったんだろうなぁって思う あと、ゴッホより普通にラッセンが好きっていうあの永野のネタ、永野のキャラも知ってからだと、めちゃくちゃ性格の悪い皮肉なギャグなんじゃね?ってことに気付いた それこそ、キューブリックより普通にリュックベッソンが好き、みたいな いや、リュックベッソン好きよ、でもさ、うん、ねぇ…
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