Siesta

回路のSiestaのネタバレレビュー・内容・結末

回路(2000年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

かなり難解 カンヌで賞を獲ったと言えばそうも思えるし、00年代のカルト深夜テレビドラマと言われたらそれもまた信じると思う 音楽はキュア、カリスマよりはめちゃくちゃ分かりやすくホラー ホラーですよ、っていう音楽というか だから、キュア、カリスマのようなバイオレンス×軽快な音楽みたい感じとか、全体的なフレッシュさ、キレキレ感はキュアとカリスマには及ばないかなぁ 天才たちの初期作のキレキレ具合って、アレなんなんだろうな ちょっとラストのCoccoの主題歌の入りは少しそれを感じた
つまり、インターネットと霊的な存在が回路を作ってどうたらこうたら的なこと? あと、死んでもずっと1人なのか、とか、答えようのない哲学的な問いの世界に迷い込んで、以降カオスみたいな 明らかに“異世界”になる感じはやっぱり黒沢清 毎回マジでこんな場所よく見つけたなって思う 誰もいない電車はまどマギっぽく感じて、あ、まどマギと黒沢清似てるわって気付く そんで調べてみたらやっぱり虚淵玄って黒沢清のこと好きなんだね
あと、鏡って怖いな、って思うことあるけど、画面とかに映る反射の怖さっていうのが面白い視点だなぁと あと、黒いシミになって消える、というのは、どことなく原爆による人影の石も想起する あれも長らくその理屈がさまざまな説があるみたいで あと、幽霊保管部屋みたいなやつはゴーストバスターズのリアルホラー版 それから、霊に実態がある感じとか、どんどん顔がアップになっていくのとかめちゃくちゃ怖い
霊的な存在との邂逅、突然の脱人格化 突発的な飛び降り自殺、拳銃自殺 カオス、ディストピア、理解を超えた恐怖の侵食 よく分からないのだが、それが恐怖でもあるというところがやはりある ただ、インターネット怖いは時代錯誤になっているようで実はそうでないというか むしろ、インターネットがあらゆる人とのアクセスを容易にしてしまうという点の怖さを描いているという意味では、めちゃくちゃ本質的な部分を掴んでいると思う ここの部分を当時の段階でフックしてきているのめちゃくちゃ先見の明ないか?
人間が形を失う世紀末な展開はエヴァのまごころを君に、インターネット黎明期のインターネットへの不信はパーフェクトブルーとも重なる おそらく、それらと同じく、当時の空気感がパッケージされている作品なのだと思う
煙を上げる街並みはカリスマのラストを想起する だから、そこを内側から見たような感覚にもなる キュア、カリスマ、回路という役所広司との作品群 船に乗り、これで正しいと言う役所広司は世界の法則を回復した彼に見えてしまう カリスマの彼もまた、キュアの彼と重なるような部分があり ラストカットが引いていって画面の中のようなのめちゃくちゃクール ちゃっとシャイニングっぽい後味に、パーフェクトブルー然り選曲のギャップ あと、邪推ではあるけれど、主演2人の起用は本当に黒沢清の希望なのかな 特に加藤晴彦 演技とかも含めてね でも、キュアの萩原聖人、カリスマの池内博之はハマっていたからなぁ
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