ダイヤモンド

グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-のダイヤモンドのレビュー・感想・評価

3.0
人魚と暮らすには_。

“深い海に潜るんだ
深すぎてブルーは消え 青空も思い出になる
海底の静けさの中で じっと1人で沈黙する
人魚のために死んでもいいと決意すると
人魚たちがその愛を確かめに近づいてくる
その愛が真実で 純粋で人魚の意にかなえば
僕を永遠に連れていく“

陽光に照らされては無限にきらめく波間も、光も音も一切閉ざそうとする紺青の深海も、悲しいほど美しい。
でもそれはジャックの深い孤独に感じられてならない。
海を愛しているにもかかわらず、その海によって父を喪ったジャック。以来本当に心を許せる者は、イルカだけという皮肉。あとはエンゾくらい。でもようやく現れたジョアンナという女性を前に、長い間人付き合いを避けていたゆえに、感情を素直に表すことができない。絶えず孤独を感じるジャック。

“潜るってどんな感じ
水中を滑る感じだ
海底はつらい
上がってくる理由が見つからないからだ“

ジョアンナの質問へのジャックの答え。海を愛し、海に愛された男にしかわからない言葉。

エンゾとジャックの兄弟愛的友情。イルカに、海にまで嫉妬しながらも、ジャックを愛さずにはいられないジョアンナのもどかしさと、それを感じて苦しむジャック。

もう何度も観てるけど、いいものはやっぱり好いです。

そしてパスタが無性に食べたくなる。エンゾの少年役がもうエンゾ。