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『火の馬』に投稿された感想・評価

horahuki

horahukiの感想・評価

4.4
パラジャーノフすげぇ!!

冒頭の貧vs富に至る流れが頭いかれてるレベルでカッコいい。画面に対して飛びかかる血という古臭いスプラッター的残虐描写が飛翔する火の馬になるという映像的高揚感が凄まじくて、食い入るようにして見た。

人物から人物への目まぐるしく流れるようでいてカチッと焦点を合わせた数珠つなぎ。そこに見えてくる荒々しい生の営みが、操られるのではなく自動し絡み合う人としての衝動的なリアリティを感じさせる。完全にここで気持ちを持ってかれた。

本作は『ざくろの色』と比べると圧倒的に動的なシーンが多く、その辺りがしっかりと収束すべきところに収束する脚本と相まって高評価を得てる印象。私的には導入部分で感じたとてつも無い感動が中盤あたりで盛り下がるように感じたけれど、クライマックスですっごいパワーを纏った圧として襲いかかってくるから、見終わる頃にはその辺りはどーでも良くなった。静的構図の中の動で押す『ざくろの色』も終始最高だったけど、こちらもすごい!

禁断の果実的な視線の交差から切り替わり、いばらの2人へ。断絶したかのように見えてその行間を容易に補完させてしまう感情のシームレスな変遷。画面なりシーンなりは目まぐるしく変わっていくのだけど、最初から最後まで確かな繋がりを持ったまま、時間的断絶を乗り越え深みを増していく。

中盤あたりは物語ることに重きを置いたシーンが増えてくるのだけど、決してそれが退屈になることも絵的な美しさを(それほど)損なうこともなく、空気感のバトンタッチというか、同じ映画で二度美味しいというか。ベタなロマンチックささえも、作られたものとしてではなく、根底から湧き上がる生身の強烈な加工されてない原石的な感情として胸を鷲掴みにされるような強烈さがある。

そんで凄いのが、ずっと絵的なパワーに凄いな〜と思いながら見ててそれほどラブストーリーの方を意識してはなかったはずなのに、自分でも気付かぬうちにその感情の沼に飲み込まれていたようで、クライマックスあたりで自分の中に押し寄せる感情の揺れに自分で驚いた。なんやこれ…マジ凄い。

あと多分こんなこと言ったらガチ勢に怒られそうだけど、これめちゃくちゃホラーだと思った。もちろん途中で出てくる表層的なところを言ってるんじゃなくて。そもそもホラー的手法が多く使われてるし、自然に消えない炎だったり、訪れない雪解けだったり、表裏の裏へと両極端な転換をする物語には切なさ以上にゾッとした。主体的に考えるとホラーにはならないんだけど、現実問題として主体的な対応ができるほど浅いもののはずがなく、そこにはやはり自身の意思の外にある(ように思えてしまう)制御できない「魔」が存在し、引き摺り込まれる。

それと『ミッドサマー』要素は局所的なオマージュシーンが転がってるというよりも至る所からバリバリに感じると思うので、『ミッドサマー』好きな人は絶対に見るべき!
伝承の寓話を通じて描かれる愛の別離、心に根差す宗教理念という普遍的な闇が、摩訶不思議な土着信仰やエキゾチックな色彩の織りなす幽玄的な美しさによって昇華されている。圧倒的な芸術礼賛。悪魔という概念が存在するのだとしたら、もしかしたらそれはこの映像の中にもいる。
benno

bennoの感想・評価

4.2
セルゲイ・パラジャーノフ監督作品…2作目…。

原作はウクライナの文豪コチュビンスキー『忘れられた先祖の影』…勿論、当局に狙われた作家…。

舞台はウクライナのカルパチア山地…何世代にも渡り争いが続く山岳のふたつの民族…敵同士である両家の子供たち…イワンとマリーチカの悲恋の物語…。

ウクライナの"ロミオとジョリエット"です…。

芸術性に特化した『ざくろの色』とは一転…ストーリーに説得性を持たせ、民族の信仰や伝承と共に12章に分けて綴られます…。

取り分け、『ざくろの色』では全く動かなかったカメラがこれでもかと言うくらいに縦横無尽に動き回ります…時に被写体を追いかける長回しの手持ちカメラはサスペンスフルに…また、360度のグルグル高速回転では狂騒の演出…あまりの速さに目が追いつきません…。


冒頭から倒木を視点にしたカメラワーク…その先には人物が…彼のお葬式から物語は始まります…。

その式で反目し合うペトリュクとグデニュクの両家が相見えます…そして、些細なことから口論となり振り下ろされた斧がペトリュクの家長の頭上に…。

流れ落ちる血が…真っ赤な火の馬となって空の彼方へ駆け上っていきます…なんて幻想的で優美なシーン…。

そして敵同士である両家の子供たち…幼い頃からの親友であるイワン・ペトリュクとマリーチカ・グデニュクはやがて愛し合うように…。



極彩色の眩しい衣装…ウクライナの奇異な風俗…エキゾチックな映像を流麗に描きます…。

また、珍しい民族楽器とその音色…口に咥えてバネを弾く口琴がびよ〰︎んびよ〰︎ん…音楽や躍りは常に彼らの身近にあります…。

そして雷のシーンでは点滅する青白い光や赤や黄色の静止画像…デジタル技術のない時代にとても凝った魅せ方…。



  〜〜〜⚠︎以下ネタバレ含みます⚠︎〜〜〜








その後イワンは出稼ぎに行き、ふたりは離れ離れに…

そして不幸な出来事が…。

悲壮感や虚無感をモノクロで表現するのも巧妙で、山間の川霧もとても幽玄的…生きながらにして魂が抜けたような浮遊感…。


新たな人生を歩もうとするも…辿る道は…??

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